アメリカ・フロリダ州とベネズエラ西部探検記
Field trip in the U.S.A. & Venezuela. ( 1998.12.26 ~ 1999.1.6 )
1998年12月26日から1999年1月6日まで大阪のMさんとアメリカ・フロリダ州とベネズエラ西部の食虫植物を見てきましたので、報告いたします。
DAY 1
【December 26, 1998 : Tokyo - Florida】
大阪・関西国際空港より18:35発のダラス経由マイアミ行きでアメリカ大陸に渡るため、まずは羽田・東京国際空港へ向かいます。成田だと車で行ってしまうので楽なんですが、電車で向かいます。荷物がリュックにカメラ、フィルム等で10キロ以上、バックに荷物が16キロ、この2つを持っての移動はかなり辛いものがあります。 8:38 ちょっと早めの東京直通電車で向かいます。9:50 東京駅到着、山手線に乗り換え浜松町よりモノレールで羽田に向かいます。ふと電光掲示板を見ると「青梅線人身事故のため運転を見合わせています」!!!あぶない!! 本来乗ろうと思っていた電車に乗っていたらその時点で、今回の調査は終わっていたかもしれません。波乱の予感です。 10:30 羽田到着 搭乗手続きをします。手荷物検査でまたかかってしまいました。いつものことですがリュックを開けます。今回はフィルムがかかりました。マイアミのX線検査の強化に伴い全部手荷物にしたうえ、X線用のバックISO1600用を2重にしていたのでブラックボックスになってしまったんでしょうか。 12:15 15分遅れで羽田発、出国ラッシュで混み合っているようです。 13:30 関西国際空港着 14:30 過ぎにMさんと落ち合いました。 いよいよアメリカに向けて出発です。アメリカでは寒波のため空港の閉鎖が出ていたりして心配です 19:35 予定より1時間遅れでダラスに向けて出発です。10時間ほどの空の旅です。 16:05 45分遅れでダラス・フォートワース空港到着です。雪はありませんでした。なんで遅れたんでしょう。 入国審査があります、Mさんがなんか引っかかっています、日本語の話せるのスタッフが呼ばれて無事入国できました。乗り継ぎ便に荷物を預けなおして、マイアミへ向かいます。 17:45 20分遅れで出発、3時間ほどでいよいよマイアミです。 21:10 予定より早く到着、荷物を受け取りピックアップバスでホテルへ向かいます。いよいよ明日から調査開始です。DAY 2
【December 27, 1998 : Florida】
6:15 空港へ向かいます。空港でレンタカーの手続きをして、バスで駐車場へ向かいます。いよいよ、左ハンドル、右側通行の世界です。ウインカーとワイパーも反対に付いているため、この後、とっさの時には、良く間違えることとなりました。地図をもらって、出発しましたがいきなり道がわかりません。何とか高速に乗り北上します。が、いつの間にか南に向かっています。乗り直して今度こそ北へ向かいます。1時間以上ロスしてしまいました。95号線を北上します。今日は一気に北上します。ほとんど移動だけです。 [N27.07.774 W80.19.854] マイアミから200キロくらいの所にあるパーキングに車を止めて、水路があったのでのぞいてみます。ありました。タヌキモです。U.foliosaです。こんなところにもあるんですね。 発見種 U.foliosa いよいよ、ガソリンがなくなってきました、初めての給油です。セルフサービスの給油ですが、やり方がわからず別のスタンドに移ります。次のスタンドは、典型的なスタンドでコンビニが一緒になっているところです。まず、ポンプの前に車を止めます。そして、コンビニ内のレジでお金を払います。ポンプナンバーを言って、とりあえず、10ドル払います。車に戻り、ノズルを給油口に差し込んでから、ノズルがかかっていた所がポンプスイッチになつていますので、それを上に上げポンプのスイッチを入れます。後は、日本と同じようにポンプレバーを握るとガソリンがでます。無鉛ガソリン(Unleaded)を入れます。終わったらレジでお釣りを受け取ります。1/4くらいになったところで入れましたが7ドルちょっとぐらいです。なんて安いんでしょう。 また、北上します。ICPSの報告から食虫植物の多いフロリダの北西にあるAPALACHICOLA NATIONAL FORESTをめざします。フロリダから900キロ近くあります。 今日は、APALACHICOLA近くのモーテルに泊まります。40ドルちょっとと安いです。フロリダは暖かかったのに、ここまで来ると寒いです。それもそのはず東京と青森くらいの緯度の差がありますので当然でしょうか。DAY 3
【December 28, 1998 : Florida】
7:00 いよいよ今日はAPALACHICOLA NATIONAL FORESTをめざします。まだ、あたりは暗くガスがでています。 [N30.23.290 W84.39.692] ロードサイドをチェックしていきます。脇の水たまりにU.gibbaらしきものがあります。 [N30.19.928 W84.49.392] APALACHICOLA NATIONAL FOREST内の65号線沿いをチェックしていきます。道路脇の開けたところにD.カピラリスを発見しました。日当たり良さそうなところです。土は硅砂質です。 その先の、橋の所の水たまりに小さなタヌキモがあります。何なんでしょうか。日本のタヌキモと同じような感じです。 [N30.18.306 W84.49.845] ロードサイドの水たまりにU.ラジアタらしきタヌキモがあります。インフラタかもしれません。ロードサイドの水たまりには何ヶ所もU.ラジアタらしきタヌキモがありました。 [N30.14.870 W84.51.892] ありました、ムシトリスミレです。こんな道ばたに生えているなんて。P.ルテアです。かなりの株数があります。ここは硅砂質のところで本当に道の脇です。あと、D.カピラリスもあります。それと、S.プシタシナが1株あります。ロードサイドが1メートルくらいの高さになっていて、その先に水が貯まっています。なかなかおもしろそうな所なので時間をかけて、探してみることにします。水際に、S.フラバが1株とS.プルプレアの大株が1株ありました。なぜ、1株づつしかないんでしょう。 少し離れたところにもう一つピンギュキュラの群落があります。そのときは、ルテアだと思っていたんですが、後から見ると葉の形の違うのが混ざっていて、どうもセルレアのようです。花が咲かないとやはりはっきりわかりません。少し、戻ったところにありますありますS.プシタシナとS.プルプレアが。住み分けているのかと思っていたら、混じっています。種によって好きな状態があるのかと思っていました。 [N30.08.290 W84.58.948] 有刺鉄線の向こう側にS.フラバがあります。入っていけません。 [N30.06.561 W84.59.238] P.ルテアとS.プルプレアがあります。段上の草むらの中に、P.プミラらしきピンギュキュラがあります。ピンギュキュラはすべて大きさがそろっていて子株があったりしないため、大きさ葉の巻き方から、たぶんP.プミラで間違えないないと思いますが、やはり花が咲かないとわかりません。土は硅砂質です。 [N30.05.239 W84.59.062] 開けた所に水が溜まっています。道路脇の少し入ったところにS.フラバの大株があります。種が付いています。日本へのお土産にします。水のべちゃべちゃの所にありました、P.プラニフォリアです。まさにCPNにでていた感じの所です。 完全に水没しているものもあります。葉は赤いです。水没しているものの中には緑のもあります。いつ水没してしまうんでしょうか。花茎も上がっていますが、曇っているため花は開いていません。D.カピラリスとP.プリムリフローラらしきピンギュキュラがあります。P.プリムリフローラは株数が少ないです。この水が溜まっている回りにS.フラバとS.プルプレア混生しています。自然交配している株もあります。 [N29.50.217 W84.55.939] U.ラジアタらしきタヌキモがありました。 [N29.49.595 W84.54.972] 道路から少し入った、硅砂質の所にU.スブラタが生えています。砂は湿っています。 [N29.49.724 W84.51.832] U.ラジアタらしきタヌキモとD.カピラリスがありました。海が近ずくにつれて食虫植物が少なくなってきました。APALACHICOLA NATIONAL FORESTを後にして319号線を東へ戻ります。 [N30.10.928 W84.00.911] U.ラジアタらしきタヌキモがあり開花しています。フロートも付いています。今日の調査もこれで終了しモーテルに宿を取ります。 発見種 D.capillaris, U.gibba?, U.australis?, U.radiata, U.subulata, P.lutea, P.caerulea, P.pumila, P.primuliflora, S.flava, S.psittacina, S.purpurea, S.flava x S.purpureaP.planifoliaDAY 4
【December 29, 1998 : Florida】
7:45 今日はオーランドまで移動します。昨日、APALACHICOLA NATIONAL FORESTでかなりの数の食虫植物が見られたので、午後にはディズニーワールドへ少し寄ろうと言うことで出かけます。 [N29.13.834 W81.57.106] ロードサイドにコモウセンゴケらしいのがあります。日本でアメリカコモウセンゴケの名前で出回っているのと同じです。 [N29.16.824 W81.54.395] OCALA NATIONAL FOREST内にある湖に寄ってみました。家がいっぱいでなかなか湖に近づけるところがありません。唯一、あいていたところを見つけて近づきますが何か看板が立っています。湖内をのぞくと、ありました、タヌキモです。 それも変なやつです。見たことがありません。軸が細く弱々しい感じですが、フサフサしています。捕虫嚢は少なめです。一番近いと言えばフサタヌキモですが、ちょっと違うようです。日本に入っているものではありません。何なんでしょうか。 隣の家から入るなと言われたので、2分だけ湖を撮らしてくれということで、許可をもらってサッサと撮影して引き上げます。 [N29.16.458 W81.53.343] 道の脇のため池をのぞいてみます。池にはスイレンが繁殖しています。池の中にU.ラジアタらしきタヌキモがあります。また、池の岸辺にはD.カピラリスを発見しました。 [N29.08.449 W81.37.673] 19号線の道路脇に池が林を挟んで2つあります。片方の硅砂質の所にU.スブラタがいっぱい花を付けています。 水の中にはなにもありません。 もう一つの池ものぞいてみます。かなり汚い池です。木の枝がいっぱい倒れています。でも、倒れ込んだ枝の所に紫の花が咲いています。近づいてよく見ると、U.プルプレアです。干上がったようなところにもいっぱい絡んでいます。ただ、植物体が小さく花の形が少し違います。「花アルバム 食虫植物」の花の写真を見ていただくと黄色の部分がありますが、この花には見えません。また、花自体も小さいです。タイプの違う、U.プルプレアなんでしょうか。 あとは特になにも見いだせず、ディズニーワールド・MGMスタジオに向かいます。ディズニーワールドも混んでいて、日本と同じでアトラクションを見るのに行列です。1つ見るのに時間がかかります。 今日もモーテルを探しますが高いです。オーランドが悪いのか、年末のためかわかりません。安ホテルにします。 発見種 D.capillaris, D.spatulata,U.radiata,U.subulata, U.purpurea, U.sp."OCALA"DAY 5
【December 30, 1998 : Florida】
9:00 今日はマイアミまで戻ります。でも、その前にNASA・ケネディー宇宙センターへ寄ります。ここも、混んでいてアトラクションを見るのに行列で、時間がかかります。スペースシャトルの発射台まで行きたかったんですが、バスが行列でとても行けそうにないため、あきらめて帰ります。 [N27.27.856 W80.25.269] 95号線のパーキングです。パーキングからちょっと入ったところに溜まりがあり、U.ギッパ、U.スブラタ、D.カピラリスがありました。 [N27.07.555 W80.20.555] ここも95号線のパーキングです。パーキング脇の溝をチェックします。U.フロリダーナが花を付けています。いよいよ明日はベネズエラです。 発見種 D.capillaris, U.gibba, U.subulata, U.floridanaDAY 6
【December 31, 1998 : Florida - Venezuela】
6:00 いよいよベネズエラに渡ります。でもタクシーが来ない。 6:25 空港へ向かいます。 8:30 ベネズエラへ3時間ほどのフライトです。飛行機は空いています。 12:20 カラカスに着きました。 DIEX2ツーリストカードが無いとビザなしでは入国できませんので、心配していましたがツーリストカードも機内で配られ無事入国できました。さっそく両替します。1ドル=555ボリーバルです。3年前1ドル=295ボリーバルでしたので、だいぶ安くなっています。予約していたレンタカーを借り出し西部のCOROをとりあえず目指しますが、高速に乗ったのですが、また、道がわからない。スペイン語の看板は全然わかりません。いつの間にかロライマ山を目指しています。Uターンして西を目指します。高速代はすごく安いです。100キロ以上で飛ばしていきます。しかし、道路脇には動物の死体が多いです。片づけたりしないみたいです。 暗くなったため、道路脇に車を止めて寝ているとお巡りさんがこんな所にいると襲われるからと言っているようです。たぶん。スペイン語なんでよくわかりません。言葉が通じず行ってしまいました。3号線のメインの通りから少し入ったところに移動して寝ます。DAY 7
【January 1, 1999: Venezuela】
6:00 まだ、暗いうちに出発します。ガソリンが無くなったので給油します。ベネズエラでは日本と同じで入れてくれます。91オクタン価のガソリンを入れます。しかし、ガソリン代が安いです。1リットル=60ボリーバルくらいです。日本の1/10くらいでしょうか。今日は4号線を山越えしてみます。しかし、乾燥地帯でいたるところにサボテンが生えています。水の流れたあとが残っていますが川にも水がないです。土があまり保水せず、表面をすぐ流れて行ってしまうようです。グランドキャニオンのようです。食虫植物なんてありそうもありません。ブロメリアがあったので採りに入りますが、痛い!!サボテンが膝に刺さっています。外そうとしますが、針が抜けない!!。やっとの思いで針を外しました。小さいトゲが指に刺さってなかなか抜けません。もう二度とサボテンのあるところには近づくまいと誓ったのでした。1号線をメリダへ向かいます。 [N09.45.753 W70.24.696] AGUA VIVA手前の道路脇の水が湧いているところにU.プシーラがありました。ベネズエラ初めての食虫植物です。硅砂質のところです。花も咲いています。メリダ手前の人の少なそうなところで寝ます。 発見種 U.pusillaDAY 8
【January 2, 1999: Venezuela】
今日はP.エロンガータの自生地であるARICAGUAを目指します。地図に載っていない新しい道を行きます。結局、どこにいるのかわかりません。とりあえず高度を上げながら探します。どうもARICAGUA向かい側の山のようです。2000メートル近いため涼しいです。今どこか道を聞いてみます。やはり、手前でした。ARICAGUAへ行くといったら、行けないといわれました。道でメリダの案内を配っていましたのでそれをもらいました。それを見ると地図に載っていた道がない。別の道しかない!! 別の道から行くことにしますが道が見つからない。ガソリンを入れて売店の人に聞いてみますが、とてもそんな車で行けるところでなく、4輪駆動の大きいのでないと無理なようです。あきらめてなるべく高いところを探してみますが、何もありませんでした。今日はメリダのホテルに泊まります。DAY 9
【January 3, 1999: Venezuela】
6:50 いよいよカラカスに戻ります。カラカスまで約800キロを1日で戻ります。途中、標高3200メートル付近の水の多い場所を探しますが、何もありませんでした。パエパランツス似の変なのがあります。 高速を飛ばして夕方にはカラカス到着です。カラカス市街でホテルがなかなか見つかりません。やっと車の置ける所を見つけました。ここは、2000円しない安宿です。普通のホテルでなく、日本で言うラブホテルです。とりあえず安いので1部屋ずつ取って泊まります。DAY 10
【January 4, 1999: Venezuela - Florid】
6:30 空港へ向かいます。しかし、高速に乗れない。1時間カラカス市街をさまよいます。やっとの事で、高速に乗れ空港へ向かいます。 8:00 空港着、レンタカーを返して、チェックインへ向かいます。しかし混んでいます。まず、空港税を払います15800ボリーバル!!高い。3年前1800ボリーバルだったのに。 列が全然進みません。出発の時間が近づきます。フライトの時間が来ました。遅れてはいるようですが、ボーディングの案内がでています。やっと順番が来ましたが、10分前に締め切ったとのことで飛行機は行ってしまいました。次の14:55の便のキャンセル待ちになってしまったようです。日本人の団体がいましたので話をするとアウヤンテプイに行っていたそうです。 14:55 マイアミ行きに無事乗れマイアミへ戻ります。 16:30 マイアミ着ホテルのピックアップバスを探しますが全然来ない。仕方なく無料電話でホテルを探した結果、マイアミビーチに見つかりタクシーで移動します。しかし、寒波の影響ですごく寒い。マイアミとは思えません。DAY 11-12
【January 5 - 6, 1999: Florida - Japan】
5:00 タクシーが来ません。5:10 タクシーで空港へ向かいます。5:40 空港着。無事チェックインも終えて一安心です。 7:30 マイアミ発ダラス乗り継ぎで関西国際空港へ戻ります。16時過ぎ関西国際空港到着、税関でいろいろ言われますが、無事、通過できました。あと、ワンフライトで羽田からうちに帰ります。バッグの重さは21.5キロまで増え移動が大変です。 22:30過ぎようやく自宅にたどり着きました。 また、アメリカへ短期間で行きたいななんて考えています。行く人がいましたら声を掛けてください。長くなりましたが、以上で報告を終わりにいたします。アメリカの写真 more U.S.A. photos & ベネズエラの写真 more Venezuela photos
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